なんか良いことあれ

見たことや感じたこと

読書感想:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2

言わずと知れた大人気作の続編を読んだ。

1作目から感じていたことだが、本作の「ぼく」はさらに人間性が成長していて妬ましくなってしまう。

まだ12歳ながら他人を思いやる豊かな感受性と、言語化する力、コミュニケートする力、そして行動を起こす力のどれを取っても、わたしは彼に敵わないんじゃないかと思う。

そもそも歳が上なだけで普通なら彼より人間的にも上なはずだ、とか潜在的に思っていることも露見してしまい、また恥ずかしくなる。

 

彼には丁寧に、同じ目線の高さで向き合ってくれる親が居ていいな。

 

彼の人格や能力が、すべて親や周りの環境のおかげだなんて思わない。エッセイがいくら著者の親心から自身の息子を良く描いていたとしても、彼自身の努力や決意で人生を切り開いていることはよく伝わる。

それでも、羨ましいと思わずにはいられない。

もし世界中の子どもが、彼のように多様な環境で、理解ある大人のサポートを受けて育ったら?

もしわたしが、彼のように育てられていたら?

そんな意味のないifを考えてしまうのは、過去に後悔があるからではない。

今、行動を起こす勇気の無さを、その原因を誰かに転嫁したいからだ。

理想ばかり見て、現実の自分に向き合えずに足がすくんで、周りを見回してばかりいる。

「ぼく」なら、自分の弱いところにも向き合って、困難でも少しでも良い方へと足を止めずに進み続けるのだろう。

いい加減にいい大人のわたしは、子どもを羨んでばかりいられない。

まずは「ぼく」と共に考える著者のように、自分と、身近な人と社会に、もう少しちゃんと向き合おうと思った。